2007年4月29日日曜日

バイオガソリン、27日から販売 首都圏の50カ所で

 首都圏50カ所のガソリンスタンドで、27日から植物由来のバイオエタノールが混ざった「バイオガソリン」の試験販売が始まることになり、26日早朝、新日本石油の根岸製油所(横浜市)から各スタンドに向け、バイオガソリンが出荷された。

大手石油メーカーなどでつくる石油連盟の取り組みで、バイオガソリンをこれほど広域で一般向けに販売するのは初めて。10年度からの全国販売を目指す。


 バイオエタノールはサトウキビやトウモロコシなどからつくる。燃焼時に出る二酸化炭素は、もともと大気中にあるものを植物が吸収したものとして、大気中の二酸化炭素の総量は増えない計算となる。脱石油、地球温暖化対策の一つとして注目され、ブラジルやアメリカ、中国、欧州などが積極的に導入している。国内では本格的な生産が始まっておらず、フランスで小麦からつくったものを輸入した。


 今回、同連盟が採用したのはバイオエタノールをETBEという物質に変えてガソリンに混ぜる方式。ブラジルやアメリカなどエタノール先進国は、ガソリンに直接混合する方式をとっている。
 バイオ燃料をめぐっては、ブームとなる半面、原料となるトウモロコシなどの価格上昇や食糧難につながることを懸念する指摘も出ている。


 販売が始まるのは東京都15カ所、神奈川県15カ所、埼玉県11カ所、千葉県9カ所の計50カ所のスタンド。レギュラーガソリンを選ぶとバイオエタノールが3%混じったバイオガソリンが入る。

 連盟によると、バイオガソリンとレギュラーガソリンを混ぜても問題はないが、エタノールの発熱量はガソリンの60%程度なので、3%のエタノールが入った分、計算上は1.2%だけ燃費が落ちることになる。だが、例えば停車中のアイドリング停止などの工夫でカバーできるほどだという。

 今回の試験販売は08年度まで。バイオエタノールを混ぜると実際には割高となるが、試験販売中はレギュラーガソリンと同じ値段で売る。10年度からの全国販売では、レギュラーより値段が高くなる可能性もある。

 同連盟の渡文明会長は「バイオガソリンを使うことで、地球温暖化問題に対する消費者の意識が高まればうれしい」と話している。

2007年04月26日 朝日新聞

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